大会長挨拶

支え合いとつながりで 皆で紡ぐ自殺対策

このたび、来る2019年9月6日(金)~8日(日)にかけて、南山大学(愛知県名古屋市昭和区)において第43回日本自殺予防学会総会を開催させていただくこととなりました。日本自殺予防学会総会の名古屋での開催は、1990年の開催以来、約30年ぶりとなります。

1990年開催時のテーマは「いのちをまもるネットワーク」と聞いておりますが、今回のテーマは、そのネットワークをさらに深められるよう、「支え合いとつながりで 皆で紡ぐ自殺対策」とさせていただきました。今回も愛知いのちの電話協会の深いご協力をいただいております。

日本では、1998年の自殺者数の急増以後、2006年に自殺対策基本法が成立し、2007年には政府の指針となる自殺総合対策大綱が策定されました。さらに、2016年には自殺対策基本法が改正され、全ての市町村に自殺対策の計画策定が義務付けされたことから、2018年度は多くの市町村で自殺対策の計画が策定されることとなりました。自殺者数も、2019年1月に発表された2018年の年間自殺者数が約2万人と、自殺者数3万人時代から2万人を切るかもしれない時代へと移行しつつあります。ただ、忘れてはならないのは、ご遺族の存在と、亡くなった方々のこと、そして、自殺者数が減ってきたとはいえ、それでも日本の自殺死亡率は先進国に比べて高いという点です。

第43回日本自殺予防学会総会が開催される2019年度は、市町村において、新たな計画の下で自殺対策が推進される節目の年となります。自殺対策には、医学・心理・教育・哲学・政治・経済など、さまざまな研究分野の連携、そして実務との連携が重要になってまいります。そのため、今回は文系と理系の垣根を越えた総会を開催させていただければと考えております。本総会では、多分野領域における教育講演、特別講演、シンポジウムを計画しておりますので、奮ってご参加ください。

開催地である愛知県・名古屋市は、早くから自殺対策にも取り組んできた街です。名古屋いのちの電話も、24時間体制で相談電話を開設しています。また、今大会は名古屋の自殺対策に深く関わっておられる名古屋第二赤十字病院精神科部長の竹内浩先生に副大会長をお引き受けいただき、ご協力いただいております。自殺対策には、社会的な対策と医療的な対策の両側面が必要となるため、本総会では、愛知県・名古屋市で行われてきた地道な取り組みについてもご紹介できればと考えております。

自殺対策のこれからを皆さまと紡いでいくことができればと考えておりますので、今後ともご助言・ご支援をお願いできますと幸いです。当日は皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

第43回日本自殺予防学会総会
大会長   森山 花鈴
南山大学法学部法律学科 准教授
南山大学社会倫理研究所 第一種研究所員